腰痛について
現代社会において、慢性的な腰痛をお持ちの方はかなり多いかと思います。
骨に異常がある場合もりますが、多くは「筋性腰痛症」と言われている筋肉に要因があるものです。
では何故腰痛は起こるのでしょうか。
皆さんも色々と原因を考えられるかと思います。
「重いものを持つから」「腰を曲げることが多いから」etc.
○屈むと痛い
○座っていると痛い
○物を持つと痛い
○中腰でいると痛い
など様々な姿勢で痛みを感じることが多いかと思います。
特に
○前に曲げると痛い
○後ろに反ると痛い
などに大きく分けられたりもします。
腰痛と一言に言っても、痛みの出るタイプによって関連する筋肉も異なってきます。
腰そのものの筋肉だけでなく、背中の筋肉、臀部の筋肉、脚周辺の筋肉など様々です。
腰の曲げ伸ばしをする時や曲げた状態を続ける時には、腰だけでなく脚や股関節など他の場所の筋肉も使われるからです。
これらを総合的に診て、どの様な要因で腰痛が起こっているのか判断する必要があります。
<腰痛のタイプ>
○前に曲げると痛い人
主に広背筋、腰方形筋等の背中や腰部、大殿筋、中殿筋などの臀部、ハムストリングスや下腿三頭筋など脚の裏側の筋肉が影響しています。
○後ろに反らすと痛い人
主に大腰筋や大腿直筋など
しかし多くの場合、根本的には大腰筋が影響していることが多く見受けられます。
大腰筋というのは簡単に言うと、背骨の腰の辺りの骨から始まって骨盤の前側を通って大腿骨の付け根の内側に繋がっている筋肉です。
立っている時には骨盤を支える役目もしている大事な筋肉です。
背中を曲げたり股関節を持ち上げるとき時にも使われます。
その為、大腰筋が縮んでしまうと背中を真っ直ぐにしたり腰を後ろに反らすことが辛くなり、少し前傾姿勢になってしまいやすくなります。
その為、背中側の筋肉にも負担がかかってしまい更に腰痛が悪化してしまうこともあります。
前側と後ろ側の筋肉のバランスが崩れるということです。
皆さんはこんなことはありませんか?
- 長時間立ち続けていると腰が痛くなる
- ソファや車のように沈んだ椅子に座ってて立ち上がる時に腰が痛い
- 仰向けで寝ていると腰が浮いたり、痛みが出てくる
- 朝起きる時に腰が痛い
- 掃除や庭作業のような中腰でいると腰が痛くなる
この様な症状があると大腰筋の影響が大きいと考えられます。
大腰筋と併せて大腿直筋などを緩めることによりこの様なタイプの腰痛は改善しやすくなります。
当院でも腰痛の方には、施術前の動作確認等で判断した上で必要に応じて大腰筋等を緩めたりします。
これらの筋肉が緩むと腰を後ろに反らしたり仰向けに寝る姿勢が楽になったりします。
この様な状態が維持できるようになってくると、腰痛も楽になってくるでしょう。
痛みの原因とは
「腰が痛いんです。私は姿勢が悪いので体が歪んでると思うんです。そのせいで痛くなってると思います」
当院にいらっしゃるお客様がよく言われる言葉です。
確かに、悪い姿勢を続けると体が歪んだように見えてきます。
「痛みの原因は骨盤の歪みです」
「骨盤は背骨が乗っていて体の土台になっているので骨盤の状態は大切です」
肩こりや腰痛で整体院や接骨院などに行った時、この様な言葉を良く耳にするかと思います。
この様なことをお客様も見聞きするので文頭の様な話をされる方も多いのだと思います。
でもこれって正しいのでしょうか?
100%間違いというわけではありませんが、決して正解とは言えないと思います。
なぜなら骨盤の歪みというのは「結果」であって「原因」ではないと考えられるからです。
原因はそこにはないのでは?
「姿勢が悪いから骨盤が歪んで腰が痛い」
これは間違いではないのですが正確でもありません。
どういうことかというと、
人間の骨格は幾つもの骨が関節で繋がって構成されています。
骨盤も背骨も複数の骨と関節で構成されています。
これらの骨は勝手に動く(歪む)わけではありません。
背骨や骨盤も含め、骨は簡単に言うと筋肉や靭帯によって繋がっています。
関節は筋肉が収縮するので動くことができます。
例えば肘を曲げる時も、複数の筋肉が収縮することによって、腕の骨が引っ張られて曲げることができているのです。
ここまででわかるかもしれませんが、骨が勝手に歪むのではなく、筋肉が骨を歪めているのです。
骨盤も同様です。
姿勢が悪いと筋肉に負荷がかかり硬くなって縮みます。
同じ姿勢や偏った姿勢を継続すると、筋肉の緊張が継続して硬くなり骨にも負担をかけることになるのです。
縮んだ筋肉が骨を引っ張るので、骨が正しい位置からずれて、最終的に歪んだ状態になります。
肩こりや腰痛といった症状は、歪みが原因ではありません。
歪みという状態はあくまでも「結果」ということです。
痛みの原因は「筋肉」にあるということがわかるかと思います。
だから骨盤矯正だけ行っても決して効果は継続しないと考えられます。
もちろん一時的には正しい状態まで矯正できると思います。
しかし筋肉の状態が変わらず緊張したままであれば、また元の歪んだ状態に戻ります。
ということで、筋肉に対しても適切な施しが必要になります。
適切な施しを行い筋肉の拘縮を改善させていくことにより、肩こりや腰痛といった症状も緩和してくると思います。
筋肉には、引き伸ばされたり無理な負荷が掛かると伸びすぎて断裂したりしないように、それを防ごうと逆に縮むようにする働きが起こります。
これを「伸張反射」と言い「筋紡錘」という筋肉にあるセンサーが働きかけています。
この筋肉が縮んだ(緊張した)状態が続くと血行が悪くなり筋肉に酸素が行き渡りにくくなります。
その為、酸素不足をを伝える信号が脳に送られ痛みを感知します。(発痛物質の放出)
また関節も動きを制限される場合がありますので、その場合も同様に信号が発せられ痛みを感知する場合があります。
要するに、この縮んだ状態、縮めという筋紡錘の過度の反応を緩和させることが大切になってきます。
それにより拘縮が緩和され血流も改善します。(鎮痛物質の放出)
この痛みの原因となっている場所をトリガーポイントと言う場合もあります。
上記の筋肉に過度の負荷が掛かることによりできると言われています。
初期の段階では「押したりすると少し痛いなあ」くらいなのですが、これを放置して悪化させると「動かすと痛い」、更に悪化すると「安静にしていても痛い」という状態になります。
ここまでくると慢性痛となってきます。
通常はその場所にアプローチしていき状態を改善させていきます。
施しを行っていくことにより痛みは徐々に弱まっていき、緩和されていきます。
当院でも骨盤などの関節に対しての施術はもちろん行います。
しかし、それだけではなくそこに関係する筋肉などにもしっかりとアプローチをし、少しでも早く症状が緩和するように心掛けています。
筋肉の拘縮もすぐにとれるわけではないのである程度の時間は必要になりますが。
もちろん「揉む」という行為だけではこの筋肉の緊張(拘縮)はとれませんので、幾つかの方法が必要となります。
肩こりや腰痛、その他諸々の症状に関して、
●痛みの原因は「筋肉」であって
●骨盤の歪みは「結果」でしかない。