【患者:30代男性 主訴:右手拇指のしびれ】
3週間ほど前から右手拇指先、及び右前腕小指側に痺れを感じるようになった。
指先には時々扉に指を挟んだ後のような強い痺れがでることもある。
また、首や肩にコリの強いような痛みを感じているとのこと。
【施術内容】
手の痺れの場合、幾つかの原因が考えられます。
1.神経系の問題
頚椎や手首の問題で神経が圧迫されて痺れが発生している場合。
2.血管系の問題
正座をした後に足が痺れるのと同じ様な症状。
3.上記以外にも糖尿病や脳の異常など様々な病気が要因となっている場合もあります。
まず、指先の感覚(触感)や、指や腕の筋力低下が無いかを確認。
頚椎や手首に意図的に圧迫を与える検査を行い、痺れや痛みの症状が強くなるかを確認しました。
特に変化が見られなかったことや痺れが出ている場所が拇指の先から外側の一部であった為、神経系が原因となっている可能性は低いと判断しました。
もし、上記の検査で症状が強くなった場合、頚椎ヘルニアや手根管症候群といった症状が考えられます。
そこで肩こりや血行不良の可能性を考え、それに対する施術を実施しました。
まず、頚椎や胸椎、肩甲骨の可動域の調整を行い、上半身の筋肉への抵抗を減らす事を試みました。
これにより、首や肩付近の筋肉の緊張感が多少軽減し楽になったとの事でした。
更に指先の痺れの感覚にも「少し違いを感じるような気がする」とのことでした。
そこで背中や肩、首の筋肉をほぐして緩めること、及び筋膜の調整を行い肩周辺の筋肉をリラックスさせることを行いました。
またこの間にも頚椎や胸椎、肩甲骨の調整も併せて行ったところ、指先の痺れはほとんど感じなくなったとの事でした。
その後、筋力や触感の異常もみられなかったため、今回は肩周辺部分の筋肉の緊張が要因となったものと考えられます。
今回の様に、肩こりが原因となって手に痺れが出ることも多々あります。
特に長時間デスクワークをする方、物を持つ時間が長い方はこまめに肩を動かして筋肉をリラックスさせるようにして下さい。
ちなみに今回の施術では指先や腕(肩関節より腕側)に対する施術は一切行っていません。
しかし、最初に記したように、神経系や様々な病気が要因となる痺れもあります。
痺れが長時間継続する場合は、まずは整形外科など医療機関を受診することもお勧めします。